一生に一度は訪れたい世界5大オペラ劇場 ~ヨーロッパ編~
「世界5大オペラ劇場」と聞いて最初に思い浮かぶのはどこでしょうか?
私自身は真っ先にオーストラリアのシドニー・オペラハウスが頭に浮かびます。なんといってもあの独創的な建築デザインとユネスコ世界遺産に登録されている知名度の高さゆえです。
しかし、オペラ劇場の本場はやはりヨーロッパ。ローマ時代から劇場建築に力を入れてきた歴史ある国々が、数多くの名門劇場を擁しています。
今回はさまざまな資料で最も頻繁に「世界5大」と称されるヨーロッパの劇場を厳選してご紹介します。あくまで参考程度にお楽しみください!
1. イギリス・ロンドン ロイヤル・オペラ・ハウス (Royal Opera House, London)

コヴェント・ガーデン中心部に位置するロイヤル・オペラ・ハウスは、1732年に開場して以来、何度も火災や改築を繰り返しながら進化を続けてきました。現在の姿になったのは1990年代後半の大規模改修後で、2,256席を誇る美しい劇場です。ロイヤル・オペラ、ロイヤル・バレエ、ロイヤル・オーケストラの本拠地として、ヨーロッパ随一の名門劇場とされています。
2. ロシア・モスクワ ボリショイ劇場 (Bolshoi Theatre, Moscow)

1776年に創設されたボリショイ劇場は、何度も火災や戦争で被害を受けながらも復元を繰り返してきました。現在の建物は1825年に完成したネオクラシック様式で、他の劇場に比べると客席数は少ないものの、音響の素晴らしさは世界トップクラス。2011年には約10億ドルを投じた大規模な音響改修が行われ、さらに完成度を高めています。
3. オーストリア・ウィーン ウィーン国立歌劇場 (Vienna State Opera, Vienna)

1869年にモーツァルトの《ドン・ジョヴァンニ》でこけら落としされたウィーン国立歌劇場は、第二次世界大戦で大きな被害を受けた後、1955年に再開場しました。世界最高峰のオーケストラであるウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地でもあり、驚くべきはチケット価格の安さ。立ち見席なら数ユーロで世界最高レベルの公演が楽しめる、まさに「国民のためのオペラ」です。
4. イタリア・ミラノ スカラ座 (Teatro alla Scala, Milan)
1778年開場のスカラ座は、オペラの本場イタリアを代表する劇場です。新古典主義建築の傑作で、クラウディオ・アバドやマリア・カラスなど伝説的アーティストが数多く舞台に立ちました。客席数は約2,000と他の劇場よりやや少ないものの、音響のスケールと迫力は圧倒的で「体が震えるほど」と評されるほどです。
5. フランス・パリ パレ・ガルニエ(オペラ座)(Palais Garnier, Paris)

1861~1875年に建設されたパレ・ガルニエは、エッフェル塔と並ぶパリの象徴的建築です。豪華絢爛な内装、ロッシーニやベートーヴェン、モーツァルトの胸像、そしてあの『オペラ座の怪人』の舞台となったことでも有名です。有名さに反して音響や視界は決して最高とは言えないものの、建築美と歴史的価値だけで十分に訪れる価値があります。

クラシック音楽やオーケストラが好きな私からすると、ヨーロッパのこうした文化が本当に羨ましいです。専門劇場があって、チケットが手頃で、誰もが気軽に本物のオペラやバレエを楽しめる環境が整っているのですから。
いつかウィーン国立歌劇場の立ち見席に並んで、世界最高峰の公演を生で体験してみたいと心から思います。
